あいの動物病院腫瘍成績
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骨髄異形成症候群の1例
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犬の多発性骨髄腫の治療例
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猫の急性リンパ球性白血病が疑われた症例の治療例

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足根関節を巻き込んだ悪性腫瘍に対する治療例
腫瘍転移・多発症例に対する治療例

このページでは、多発性骨髄腫という病気について記述しています。
実際の症例
この子は11歳の雑種犬です。下痢が治らないとのことで来院されました。一般検査時にかなりのふらつきがあり、消化器以外の病気の可能性が疑われたため、レントゲン撮影を行いました。なお、多発性骨髄腫とは形質細胞という細胞が腫瘍化して異常増殖するために起きる病気です。
レントゲン写真
レントゲンでは、骨の一部がクロっぽく抜けている像が多数ありました。これが典型的なパンチアウト像といわれているもので、腫瘍化した形質細胞が破骨細胞活性化因子を分泌し、破骨細胞が活性化して骨を融かしてしまうといわれています。 
血液蛋白分画
追加検査で、血液蛋白分画(各タンパク質の量)を行ったところ右端に異常なスパイクを示していました。正常では、ここはなだらかな曲線です。これが典型的なモノクローナルガンモパシーといわれているもので、血液蛋白の1つ(多数の場合はポリクローナル)が異常に増えていることを示す所見で、この所見とパンチアウト像があると多発性骨髄腫の確定診断となります。
バフィーコート所見
この病気には、アルケランという薬が非常によく効いてくれます。治療初期は比較的様子がよかったのですが、1ヶ月ほどすると状態が安定しなくなりました。この病気の75%は比較的よく推移してくれるのですが、残りの25%は難治性であることが多く、なかなか治療に反応してくれません。この子にも、エンドキサン、ロムスチン、アドリアマイシンという抗癌剤を使用したのですが、著明な効果は認められませんでした。残念ながら、腫瘍を抑えることよりも疼痛緩和を重視し、ビスフォスフォネートというお薬を使用したのですが、亡くなってしまいました。この病気は発見することが遅くなるケースが多いため(今回のケースでも)、病気が非常に進行してしまっている可能性があります。常日頃の健康診断を中年齢以降は定期的に行い、早期に病気を発見することが重要と思われます。もし、このような原因不明の下痢や鼻出血(これが多発性骨髄腫ではおそらく一番多い症状です)がありましたら、一度病院にご連絡くださいね。
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