多中心型リンパ腫1
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元気食欲の低下を主訴に来院された6歳のゴールデンです。体中のリンパ節が腫れており、眼が非常に赤くなっていました。これは、全身性にリンパ腫の影響が起きてしまっている反応で、かなり病気が進んでいる状態を示しています。 現在は、CHOPという抗癌剤のコンビネーション療法に各種薬剤を加えた治療を行い、経過は非常に良好です。
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多中心型リンパ腫2
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元気食欲の低下を主訴に来院された12歳の雑種犬です。体中のリンパ節が腫れており、末梢血にもリンパ芽球が多数認められました。アドリアマイシンとロムスチンを使用してみたのですが、状態が安定しなかったため、COPという抗癌剤のコンビネーション療法を行い、経過中に各種薬剤を加えた治療を行いました。経過は非常に良好で、現在治療1年を経過していますが、問題なく推移してくれています。
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胸腺型リンパ腫の症例
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この子は、1歳の雑種猫です。呼吸が速いとの事で来院されました。検査結果は胸腺型リンパ腫でFelV陽性でした。抗癌剤はCHOP療法で各種薬剤も使用し、今はロムスチンとなっていますが、約8ヶ月経過し、一般状態は非常に良好です。
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大顆粒球リンパ球腫瘍
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この子は、13歳のアメリカンショートヘアーです。元気食欲が無くなってきたとの事で来院されました。触診で腹部に腫瘤があり、針生険すると、写真のような異常なリンパ球が多数認められました。これは、大顆粒球リンパ球腫瘍といわれるもので、診断後早期に死亡するケースが多いようです。この子にも抗癌剤としてCHOP療法に各種薬剤を加え、経過は良好でした。腎不全もあることからステロイド+ロイナーゼで、約8ヶ月間がんばってくれましたが、間質性腎炎(剖検にて判明)で亡くなってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。
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特殊治療
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人の治療では、リツキシマブ(rituximab)が有効であり、使用したいのですが、犬での実験で、リンパ球に接着しない可能性があるという報告が2006年度にありました。なので、当病院では、特殊薬を試験的に投与しておりますが、このケースに関しては非常に良好のようです。すべてのリンパ腫に当てはまるとは言いませんが、今後非常に注目すべき薬剤であることは間違いないと思います。もし、リンパ腫で治らない症例がありましたら、担当の先生と相談して使用してみてくださいね。なお、以下にリンパ腫に対する特殊薬を使用した論文発表を記載しておきますので、ご興味のある方は一度読んで見てくださいね。
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1)Very good partial response in a patient with MALT-lymphoma of the lung after treatment with low-dose thalidomide.(低用量のthalidomideで著明に縮小したMALTリンパ腫の一例) Leuk Lymphoma. 2005 Sep;46(9):1379-82.
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2)Antitumor activity of rituximab plus thalidomide in patients with relapsed/refractory mantle cell lymphoma.(再発した治療抵抗性のマントル細胞リンパ腫に対するリツキサンとthalidomideの併用による抗腫瘍効果)Blood. 2004 Oct 15;104(8):2269-71.
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3)Response to thalidomide in chemotherapy-resistant mantle cell lymphoma: a case report.(化学療法に抵抗性のマントル細胞リンパ腫のthalidomideに対する反応:症例報告) Br J Haematol. 2002 Oct;119(1):128-30.
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