初診時の状態
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この子は16才の雑種猫です。肢に出来物ができて大きくなってきているとのことで来院されました。このような出来物があると、表面から出血したり、痛がることが非常に多いです。
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レントゲン写真
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レントゲンでは、境界が極めて不明瞭であり、悪性腫瘍強く疑わせる所見が、他の検査でもあったため、断脚を含めた治療をお話しし、自宅で一度相談するとのことで戻られました。
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手術直前の状態
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約1ヵ月半後、腫瘍のみの切除を強く希望したため、再発覚悟で腫瘍摘出手術を行いました。前回よりも大きくなっているのが分かります。
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手術中の写真1
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腫瘍摘出時の写真ですが、かなり底部まで浸潤していることが分かります。一番右の写真は骨の膜に浸潤している様子です。
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手術中写真2
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腫瘍を分割し、アキレス腱を残して摘出しました。大きな欠損が出来てしまい、このままでは皮膚を閉じることが出来ないので、フラップという他の部位から皮膚を持ってきて縫い付ける方法を取りました。
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手術時の写真3
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仮縫合を行い、縫い付けれるかどうか確認します。かなり大きく皮膚を取ったため、仮縫合時に緊張が強くかかってしまいました。このようなときには、減張切開というメッシュ状に皮膚を切って、緊張を緩和する方法を取りました。その後は肢を動かしても緊張はかからなかったため、すべて縫合いたしました。
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病理組織検査
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診断は線維肉腫という悪性腫瘍で、おそらくアキレス腱から発生しているのではないか?ということが推測できました。明らかに取りきれていないため、このような場合は、再発する可能性が非常に高いといわざるを得ません。
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手術後の様子
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手術後1ヶ月では問題なかったのですが、少しずつ縫合部が盛り上がってきて、2ヶ月後には明らかな腫瘍が形成されてしまっていました。患者さんと協議の上当初の予定通り、断脚術を行いました。その後は非常に良好ですが、もっと初期に来ていただければ、状況は変わったかもしれません。もし、ワンちゃんネコちゃんでこのような状況になりましたら、すぐに様子を診せてくださいね。(現在では、光線力学療法が可能となりましたので、こちらをお勧めすると思います)
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患者さんからの声
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実際の患者さんからの声です。断脚という苦渋の選択ではありましたが、今は非常に経過はいいようですね。
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