あいの動物病院腫瘍成績
体表部腫瘍

光線力学・温熱・化学療法の実際の治療
イヌの乳腺腫瘍
いろいろな鼻の腫瘍の治療例
ネコの乳腺腫瘍について
いろいろな口腔内腫瘍の治療例
いろいろな体表部腫瘍の治療例

血液・リンパ系の腫瘍

骨髄異形成症候群の1例
リンパ腫について
犬の多発性骨髄腫の治療例
犬・猫の各種リンパ腫に各種薬剤を使用した治療例
猫の急性リンパ球性白血病が疑われた症例の治療例

胸腔・腹腔内腫瘍

いろいろな腹腔内腫瘍の治療例
いろいろな胸腔内腫瘍の治療例
肛門嚢アポクリン腺癌の治療例
骨盤腔内腫瘍のシェルティの治療例
ゴールデンレトリバーに見られた腫瘍の治療例

骨・筋肉系の腫瘍

筋間脂肪腫の1例
前腕骨の骨原発腫瘍が疑われた症例の治療例
猫の傍骨性骨肉腫の治療例
猫の線維肉腫の治療例
猫の骨肉腫(ワクチン誘発性?)の治療例

その他の腫瘍

いろいろな耳の腫瘍の治療例
いろいろな目の腫瘍の治療例
犬の精巣腫瘍の治療例
足根関節を巻き込んだ悪性腫瘍に対する治療例
腫瘍転移・多発症例に対する治療例

このページでは、犬の精巣腫瘍についての記述をしています。
犬の精巣の移動の仕方を示した図
犬の精巣は、胎児期(お母さんのおなかにいる状態)には実はお腹の中にあります。正確には腎臓の後方にあります。出産後1ヶ月して通常の陰嚢の位置まで徐々に降りてきます。しかしながらこの途中で、移動しなくなり、正常な位置まで行かない精巣を陰睾といい、お腹の中や内股にある状態を言います。この状態になると若いうちはまったく問題がないのですが、7〜8歳以降になると、正常な状態の精巣と比較して何倍も癌化(がんになるということ)し易くなると言われています。
内股部の陰睾が腫瘍化したケース
この写真のように陰茎横に大きな塊がありますが、これが腫瘍化した精巣です。最近急に大きくなってきたとのことで来院されました。このように腫瘍になる前に本来でしたら摘出しておいたほうが明らかです。
腹腔内に発生した精巣腫瘍
これは、お腹の中で腫瘍化してしまったケースです。このようにお腹の中に異常なほど大きい塊があります。また、このようなケースでは、腫瘍がホルモンを産生してしまい、男の子なのにおっぱいが腫れてくる(雌性化症候群)場合があります。
精巣腫瘍が腰椎下リンパ節に転移したケース
これは、腫瘍がリンパ節に転移してしまったケースです。いくつかのリンパ節に転移してしまったため、小さいものは切除可能だったのですが、大きいリンパ節は大静脈に癒着してしまっていて、摘出不可能でした。なお、この腫瘍はセミノーマといわれているもので、比較的抗がん剤が効いてくれますので、現在はこちらの治療を行っているところです。このように、陰睾をそのままにしておくと、このような腫瘍が発生してしまう可能性が高いので、正常なうちに切除してしまうことをお勧めいたします。ご自宅のワンちゃんがこのようになっていましたら、病院に御来院くださいね。
あいの動物病院への相談メールはこちら
COPYRIGHT(C) あいの動物病院 ALL RIGHTS RESERVED.