あいの動物病院腫瘍成績
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猫の急性リンパ球性白血病が疑われた症例の治療例

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いろいろな腹腔内腫瘍の治療例
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猫の骨肉腫(ワクチン誘発性?)の治療例

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犬の精巣腫瘍の治療例
足根関節を巻き込んだ悪性腫瘍に対する治療例
腫瘍転移・多発症例に対する治療例

このページでは、犬の足根関節に出来た
悪性腫瘍に対する治療例を記載しています。
実際の症例の患部
この子は、12歳の雑種犬です。お尻に腫瘍があるとのことで来院されたのですが、(こちらは今は調子いいです)足の関節にも腫瘍を発見し、触診にて悪性度が高いことが推測されたため、手術となりました。
手術時の腫瘍の状態
手術を行ったのですが、底部の浸潤がかなり強く、また前脛骨筋腱を巻き込んでいたため、腫瘍のみを摘出することは現時点では不可能と判断し、腫瘍への抗がん剤局所注入療法のみ行いました。
腫瘍の治療経過
その後は、定期的に抗がん剤を注入していたのですが、腫瘍は徐々に大きくなり、肢を付かなくなってしまいました。
再手術時の所見
患者さんと相談し、本来完全切除は断脚とお話したのですが、どうしても肢を残してあげたいとのことから、再発覚悟で関節固定も視野に入れた手術を行いました。抗がん剤の影響で、周辺の脂肪が壊死していたため、このように黄色くなり、手術は非常に困難でしたが、何とか前脛骨筋腱のみの切断で、肉眼的には完全切除できました。切断した靭帯は短くなったため、本来の場所とは違うところにネジ+ピンで固定しました。(現在では、光線力学療法が可能となっておりますので、こちらを御紹介すると思います)
摘出した腫瘍と病理所見
病理組織では軟部組織肉腫と出ました。完全には靭帯と癒着していなかったと記載されているため、このことがほぼ腫瘍のみ摘出できた理由と思います。肉眼的には完全に癒着しているようでしたので、これが悪性腫瘍の怖いところです。
腫瘍摘出後の様子
摘出後は、靭帯再付着までの時間ギブス処置を行い、3週間様子を見ていました。その後は、ギブスをはずしてもまったく問題なく足をつくようになりました。今は、違う抗がん剤を使用していますが様子は良好です。もし、このように関節に腫瘍が出来ていましたら、悪性の場合肢を付かなくなる可能性がありますので、すぐに様子を見せてくださいね。
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