静岡県袋井市 あいの動物病院 腫瘍(ガン)が悪化する要因は低酸素(酸素欠乏)ということをご存知ですか?

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悪性腫瘍の遺伝子変異と代謝

 

 

悪性腫瘍の遺伝子変異と代謝 

 

      以下の内容は、がんと代謝(実験医学増刊:2012)より引用しております。

      ちょっとわかりにくい内容もあるかもしれませんが、歴史的背景からも

      非常に重要ですので、原文のまま記載しております。

 

 

 

この100年間、がんの代謝研究への関心は年代とともに大きく移り変わってきた。哺乳動物の細胞は好気性条件下では、酸化的リン酸化によってエネルギー分子であるATPを産生することが知られている。しかし1924年にワールブルグが、がん細胞は酸素が十分存在しても解糖系を使ってATPを産生することを発見1)したことが発端となり、ガンの代謝研究に火がついた。しかし当時の研究からは代謝と発がんの関係を十分に説明できる成果は生まれなかった。1980年代になると分子生物学の実験手法が発達し、がん遺伝子、がん抑制遺伝子が次々と発見された。華やかながん遺伝子研究の陰で代謝の研究は細々と行われていた。しかし、ハイスループットDNAシーケンサー(DNA解析装置)の出現によって様相は一変する。 

1:がんに関する遺伝子の変異は予想よりはるかに多くかつ複雑である。

2:がん化には数千の点突然変異、遺伝子転座、遺伝子増幅、遺伝子欠損が関与する

3:病理組織学的に同じ腫瘍であっても、遺伝子変異はかなり異なることが明らかとなった。

また、4:がん関連遺伝子の変異は、十数種類の主要なシグナル伝達経路に影響を及ぼすことも判明した。これらの発見は、個々のシグナル分子を化学療法の標的としても有効ながん治療にならないのではないかという疑問をがん研究者に抱かせるようになった2)。

さらに5:がん遺伝子の変異によって多くのシグナル伝達経路が影響は受けてはいるものの代謝の変化はほとんど一定(解糖系の亢進及び酸化的リン酸化の抑制)

であることが判明した。 

この事実が広く注目を集め、2000年代後半からがんの代謝が

再び脚光を浴びるようになった。

 1)Warbung,O.:Science,123:309-314,1956

2)Cairns,R.A.et al:Nat.Rev.cancer,11:85-95,2011

 

 

上記の中で一番覚えておいてもらいたいことが、5番目です。

この解糖系の亢進及び酸化的リン酸化の抑制がほとんどのガンでほぼ不変的に

起きているということから、この代謝を改善しようとするのが、

当病院HPに記載しております酸化療法や高気圧酸素療法ということです。

また前項目での安保先生の理論はまさにここをとらえております。

体を温めてたっぷりと深呼吸することで解糖系(酸素がいらない回路)を抑え、

酸化的リン酸化(酸素が必要な回路)を増やし、

健康を取り戻しましょうとお話ししているのですね。

では、なぜガン細胞はこのような回路でエネルギーを産生するのかという説を

以下に記載します。

 

 

 

 

実験医学増刊号 Vol.35-No.15、2012 より転載

 

 

いくつかの仮説の中で最近提唱されているものは、上記の図となります。

がん細胞はATPのみならず、活発に増殖するために核酸、タンパク質、脂質などの

生体高分子が不可欠であり、それらの原料であるヌクレオチド・アミノ酸・脂肪酸など

を代謝によって大量に生合成する必要があるのだろうという説です。

つまり、酸化的リン酸化反応は大量にATPを産生することはできるが、ATP以外の

物質生成は低い。一方解糖系はATP産生はわずかではあるが、

ヌクレオチド・アミノ酸・脂質なども産生することができるため、

がん細胞は解糖系を使用するという説です。

その他には、

 

・ミトコンドリア活性(酸化的リン酸化)を抑える事によるアポトーシスの抑制・酸化の低下

 

・ATP産生スピードが速いため(酸化的リン酸化の100倍)

 

・乳酸産生による転移、浸潤への足掛かりやReverse Warburg effectへの関与

等が指摘されております。

 

      では、次章で腫瘍は本当に低酸素状態なのかご説明いたします。