光線力学療法
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この治療内容を説明するにあたり、それぞれの治療をまず別々に説明いたします。まず、光線力学療法についてです。この治療内容は、腫瘍に対してある色素を取り込ませ、それに対してレーザー光線を当てるというものです。これによって色素が反応し、活性酸素を発生します。この活性酸素が腫瘍を直接あるいは間接的に死滅させる治療です。上記の図のように色素を取り込んだ腫瘍のみを死滅するようにするため、正常細胞ができるだけ痛まないようになっているのが、最大の特徴ですね。
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温熱療法
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続いて温熱療法です。この治療は、腫瘍が熱に弱いという習性を利用したものです。これは人でのデータですが(犬にもほぼ当てはまると思います)42.5度を超えると細胞が死んでしまうというという理論から治療応用されている考えです。実際は41.0〜42.0度前後まで治療で暖めますが、正常細胞では、暖めても正常血管が膨らみ、血流を増加させ、熱を逃がしています。しかしながら腫瘍の血管は、暖めても膨らむことができず、熱を逃がすことができなくなり死滅してしまうといわれています。
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化学療法(抗がん剤)
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最後に化学療法(抗がん剤)です。この治療は、細胞分裂が盛んな細胞(若い細胞)に非常に毒性を示すもので、皆さんも御存知の治療と思います。使用量が多いと副作用もありますが、この治療では、少量しか使用せず、しかも局所(腫瘍のあるところのみ)にしか使用しないため、ほとんど副作用はありません。
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光線力学・温熱・化学療法
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上記3つを同時に行う治療が、今回ご説明する光線力学・温熱・化学療法です。具体的には腫瘍に直接色素+抗がん剤を注入し、レーザー光線を当て、熱を発生させます。これを20分ほど行い、腫瘍細胞を直接・間接的に死滅させる方法です。写真はレーザー治療器と実際手術時に行っている様子です。20分程度当てるだけですので、体への負担にはほとんどならず、あっても軽度の皮膚の赤み(軽いやけど)を示す程度です。
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犬の粘液肉腫
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この症例は、14歳の雑種犬です。右の顎の部分がどんどん腫れてきたとのことで来院されました。私が経験する中でもっとも大きく厄介な症例でした。詳しくは、体表部腫瘍の項目に記載していますね。
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猫のワクチン誘発性肉腫2
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この子は、9歳の雑種猫です。背中の膨らみを主訴に来院されました。この症例も、過去の病歴とワクチン歴よりワクチン誘発性肉腫が強く疑われた症例です。手術は肩の下まで腫瘍が浸潤し、非常に困難でしたが何とか切除できました。その後は定期的にレーザー治療を行い、癒合不全もなく経過良好です。詳しくは体表部腫瘍に記載してありますので、ご覧くださいね。
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猫のワクチン誘発性肉腫1
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この子は、12歳のアメリカンショートヘアーです。背中にしこりがあるということで来院されました。このように肩の後ろにある塊で、ワクチン接種以外外傷歴がない症例は、非常に強くワクチン誘発性肉腫を疑います。治療後、何回かのレーザー治療と再縫合などを行い、1年後は再発もなく、経過良好です。詳しくは体表部腫瘍のページをご覧くださいね。
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猫口腔内(下顎)扁平上皮癌
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この子は、15歳の雑種猫です。口の中の出来物が急に大きくなってきて、痛みでご飯が食べられないとのことで来院されました。写真にあるとおり、このようなものは悪性の疑いが非常に強く、結果は扁平上皮癌でした。診断後すぐに超音波吸引処置+光線力学・温熱・化学療法を3回ほど行いました。約2ヶ月間は再発なかったのですが、現在一部再発が認められました。現在は温熱療法を中心として腫瘍の増大を抑えている状況です。詳しくは口腔内腫瘍の項目で記載していますので、御確認くださいね。
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犬口腔内メラノーマ
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この子は、15歳のミニダックスです。口の中に出来物ができ、鼻が盛り上がってきたとのことで来院されました。外見上は鼻の一部が盛り上がり、その部位の口の中を見ると明らかな黒色の腫瘍性病変がありました。これが典型的な口腔内メラノーマです。すぐに超音波吸引処置後・治療を行い経過は良好です。詳しくは口腔内腫瘍の項目に記載してありますので、ご覧くださいね。
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犬の高分化型線維肉腫(侵襲性線維腫症)
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この子は、9歳のゴールデンレトリバーです。半年ほど前から腫れてきたとのことで来院されました。組織検査より上記の病名と確定し、本治療を行いました。一時腫瘍が壊死したことにより、炎症反応が強く出たのですが、その後は、薬剤の種類と量の調整により、炎症と腫れが引いてきました。これからさらに追加治療と計画していたのですが、残念ながら持病に癲癇発作があり、突然激しい癲癇発作を起こし、亡くなってしまいました。治療途中であり、非常に残念ではありましたが、本腫瘍に関しては経過は良好と思われました。もしこの病気でお困りの方がいらっしゃいましたら、御連絡くださいね。
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犬の軟部組織肉腫
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この子は、10歳のラブラドールレトリバーです。鼻の出来物が大きくなり、呼吸が苦しそうだとのことで来院されました。呼吸に関しては喉頭麻痺を起こしていたため、別の手術を行い、上体が安定した後、鼻の治療を行いました。治療後よりどんどん小さくなり、5回ほど行うと、かなり経過良好となりましたが、まったく別の病気で亡くなってしまいました。御冥福をお祈りいたします。
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猫の鼻がん(癌腫)
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この子は、8歳の雑種猫です。鼻がどんどん腫れてきたということで来院されました。写真にあるとおり典型的な鼻の腫瘍です。通常はリンパ腫が多く、その場合は抗がん剤のみで腫れは引いてくることが多いのですが、この子はまったく別の腫瘍のため、この治療を選択しました。一時治療の反応が思わしくなかったため、抗がん剤の内容を追加し、再度治療を行ったところ、非常に経過良好となりました。現在治療6ヶ月を経過したため、この治療を卒業し、経過観察としています。
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犬の扁平上皮癌
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この子は、10歳のミニダックスです。一見すると歯の病気と非常に似ているのですが、腫脹部位に腫瘤もありました。この部位は積極的な手術では、眼球摘出になってしまいますので、最小限の摘出を行い、レーザー治療を行いました。結果は扁平上皮癌でとりきれていないと判断されました。しかしながら、定期的レーザー治療で、現在2年を経過しておりますが、再発は認められておりません。
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猫の悪性神経鞘腫疑い
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この子は、10歳の雑種猫です。前足の腫瘍が潰れた状態で来院されました。触診では浸潤性が強いため、手術前にレーザー治療を行いました。結果は一回り小さくなり、摘出可能と判断し、手術しました。結果は悪性神経鞘腫疑いとされ、とりきれていない可能性があるという診断でしたが、その後レーザー治療を追加で行いました。経過中に軽度の炎症(やけど)がありましたが、今は治癒し、腫瘍そのものも再発なく、経過良好です。
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犬の組織球肉腫
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この子は、11歳のゴールデンレトリバーです。前足に腫瘤があるということで来院されました。周辺への浸潤がややあったため、悪性を疑い、拡大切除を行いました。結果は、組織球肉腫でしたが、とりきれていない可能性があるということから、レーザー治療をお勧めいたしました。術後+レーザー治療後の様子は良好で、現時点での再発ならびに転移は確認されていません。
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実際の患者さんからの声
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この方は、上記のミニダックスの方からの声です。現在は非常に良好ですね。
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この治療は、外科が困難な頭頸部腫瘍などに有効です。御希望の方は御連絡くださいね。
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