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このページでは、骨盤腔内の膣に腫瘍が出来てしまったシェルティの外科的治療例を記述しています。
実際の症例
この子は、11歳のシェルティです。発情出血が多いのことで来院されました。よくお話をお伺いするとちょっと排便時に力むとの事もありました。この時点でお腹を触診すると非常に大きな塊に触れました。
レントゲン写真
これが、初診時のレントゲン写真です。膀胱の後方で、骨盤に添うような形で大きな腫瘤が認められます。直腸検査を行ってみると、非常に大きな塊に触れ、排便が困難になる可能性が示唆されました。
手術中写真1
各検査より、膣の腫瘍が疑われたため、手術に踏み切りました。最初は脂肪に覆われてよく見えないのですが、丁寧に剥離していくと、その下から盛り上がった膣が認められました。
手術中所見2
膣を切開すると、最初に小さな腫瘤があり、摘出した後、その下を確認すると大きな腫瘤が認められました。このように膣の腫瘤は多発する傾向があります。出来るだけ切除し、縫合を行いました。
摘出した腫瘤+病理組織検査
これが摘出した腫瘤です。表面がつるんとしていて硬くなっていました。このような腫瘤は良性の腫瘍で多く認められ、実際の病理組織検査では線維腫という良性腫瘍の結果と出ました。なお、ホルモンとの関連も指摘されていることから卵巣子宮摘出術も同時に行いました。
現在の状況
手術後は、多少頻尿が出ましたが、現在はほとんど問題なく排便も特に問題ないとの事でした。このように骨盤腔内腫瘍では、外見上からはまったく分からないため、女の子で発情に関係した問題があるようでしたら、このような病気の可能性もあります。何か変わった様子があるようでしたら、早めに担当の先生に見ていただくようにしてあげてくださいね。
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